1月が矢のように・・・・

今日は朝から大学の講義、そしてその直後移動し、午後上野鈴本演芸場、その後夜、NHKでの打ち合わせと都内を駆け巡った一日だった。
しかし、寄席の楽屋って本当に楽しい。自分はこのなんとも言えない雰囲気が大好きなのだ。大学のようなアカデミックな世界もそれなりに楽しいが、やはり人間どこかで発散しなくては健全ではいられないようだ。寄席楽屋では舞台では絶対にいえないような危ない話題が飛び交う抱腹絶倒の至福の時である。演芸場はいろいろな意味で本当に不思議なところだ。日によってお客様のリアクションが本当にちがう。生き物なのだ。楽屋にもどってくる芸人さんがそれぞれに伝言してくれる。「今日は上品なお客様ですね」・・・云々。それにしてもお正月の初席を始めて体験したが本当によくお客様がよくはいる。連日満員だ。
NHKの打ち合わせで今度の「笑いがいちばん」は放送予定が3月9日だということをうかがった。出演者は芸人と同時にもう一つの「顔」をもつ面々がそろうという演出らしい。しかし、収録当日は早稲田での授業の直後NHKに直行しなくてはならないので少々不安・・・・三時間英語で講義した直後の本番はなんとなく日本語がでにくくなりそうなのだ。
2月に行われる横浜開港150周年記念事業「市民参加創合演劇プロジェクトードラマヨコハマ150」という実に長い名前の実行委員会主催によるドラマ・ワークショップの講師として、マイムを教える。自分の他にも多彩な講師陣が控えていてとても刺激的なワークショップになりそうだ。詳しくは http://www.dorama-y150.jp/pages/pre-dramaws.htm

2008-01-08 10:56 | 告知 | コメント(1)

汗かきの話

昨年の暮れ28日にタイツの話をしたが、最近東京は日中やたらに温かい。確かに風はたまに冷たいのが吹くが、さすがにタイツをズボンの下にはいていると暑くなる。今日も鈴本演芸場の出番をおえて身体があたたまったまま無意識にタイツをはいて外へでたら汗びっしょりになってしまったのだ。やはり早朝、深夜以外はウィスコンシンではないのでタイツは要らないようだ(苦笑)。
ところで自分は舞台ではかなり汗をかく方なのだが、この「汗かき」という事について面白い話がある。シェークスピアのハムレットの最後のほうの第五幕の第二場でハムレットの母、すなわち王妃がハムレットに対してこういうセリフがある “He is fat and scant of breath. Here, Hamlet, take my napkin, rub thy brows.” この場はハムレットとレアティーズの剣の決闘の休憩の時のセリフで、母親がわが子ハムレットの汗を拭こうとしているときに発した言葉だ。下線の部分の “He is fat and scant of breath.” をどう訳すかがかなり長い間学者の間で定説がなかったそうだ。つまりfat が果たしてデブなのかどうか。これをこのまま訳すと彼はデブで息切れしている・・・てな感じなのだが、ハムレットが果たして本当にデブだったのか。デブだとしても何故母親があえてデブだからと追い討ちをかけなくてはならないのか??どうもしっくりこない。ちなみに手元にある坪内逍遥先生の訳を見てみるとこうだ。「肥り肉(じし)ゆゑ息がきれう。これ、ハムレット、此汗拭で汗を拭や・・・」つまり逍遥先生はこれを肥り肉、つまりそのままデブと解釈している。
実は1924年ごろ、アメリカ中西部(オハイオという説とミシガンという説がある)のとある大学の英文学の授業で『ハムレット』の講読の際、ある教授がこの台詞の意味に関してまだ定説がないことを告げると、女子学生の一人が「それは、(汗っかき)という意味ではないだろうか」と質問したそうなのだ。ちなみに辞書の中でこのfatという単語にはそんな意味は一切ない。そこで教授がその根拠を尋ねると、彼女は自身の体験談を話したそうだ。つまり、以前、夏にウィスコンシン州の田舎を旅行していた時、非常な暑さの為に通りかかった農家で水をもらおうとすると、そこのオバサンが汗だくの彼女を見て、‘How fat you are!’と言ったらしい。「デブ」といわれたのか!と面くらいながらも、いろいろ話しをしていると、どうやら「汗をかいている=sweaty」という意味で使っているらしい。ちなみにこオバサンの先祖はイギリスのWarwickshireといういなかで、オバサンの家では代々そのような意味合いとしてこのfatなる言葉を使っているらしいのだ。こんなキッカケでイギリスの古い方言がアメリカの中西部、ウィスコンシンの田舎で脈々と受け継がれてきたおかげでその意味が解明されたという偶然の発見だったという。この発見がなければ、ハムレットはデブだといい続けられていたかもしれない!!ハムレットは私のように汗かきだったのだ!!(だから何だといわれたら何も返す言葉がない・・・苦笑)
そういえば年末に、最近本屋さんなどで並ぶワンコインDVDなるものの中にロレンス・オリヴィエのハムレットを見つけて喜び勇んで購入してしまった。時代の流れとはなんだか嬉しいような、悲しいような奇妙な価値観の推移が多々あるものですね。ロレンス・オリヴィエが500円かよ~!!日本のガキの軽薄映画が1800円だぜ!!(苦笑) (写真はワンコインDVD「ハムレット」)

2008-01-04 12:00 | ひとりごと | コメント(1)

明けましておめでとう御座います。

謹賀新年。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。このブログを読んでくださる皆様の新しい年がいいことたくさんある年でありますように。
遂に2008年!平成20年。今年は元旦から上野鈴本演芸場の初席に出演させていただいております。元旦から10日まで12時の出番なのですが、10日は大学の講義のためお休み。そして8日はやはり大学のため、出番は3時以後になります。前座さんへのお年玉、そしてお年賀の手ぬぐい受け渡しなどなど、初めての初席、寄席の様々なしきたりを身体で学ぶといった感じの毎日になりそうです。
さて今月はなかなか大変な月で、上記のごとく寄席で始まり、寄席でおわる月になりそうだ。以下に簡単にスケジュールを!!
1月1日~9日 上野鈴本演芸場、11日~15日宮崎公演、17日松戸市立中部小学校(母校)開校記念日公演、21日NHK『笑いがいちばん収録、22日~30日上野鈴本演芸場。 そして27日三浦市シーサイドホール寄席出演。NHK番組収録は放送予定日が分かり次第、このブログでお知らせいたします。
なお、宮崎は12日に中央おやこげきじょう公演(宮崎市佐土原総合文化センター)、そして14日が宮崎市民文化ホールにて新春ファミリーコンサート(http://www.miyazaki-musicweek.com/shinshunconcert.htm)、そして15日がNPO法人みやざき子ども文化センターキッズルームにてのショーです。
前半はこの他に大学の学期の最後の授業があり、そして後半はその期末試験と採点に追われる毎日になりそうです。まあ、現役でこうしてバリバリ舞台できて、大学で好きな講義が出来る幸せを噛みしめつつ年の初めにもう一度回りの人々に感謝感謝です。合掌
写真は鈴本演芸場入り口にて

2008-01-01 05:32 | 公演 | コメント