異文化移入のパイオニア

きょう2月28日は坪内逍遥の命日だ。生まれは1859年6月22日、そして1935年、75歳で亡くなっている。桜田門外の変の前年。つまり江戸時代。逍遥先生が9歳の時明治維新を迎える。当時同時通訳をめざしていた僕は、大学時代から逍遥先生が奮闘した西洋演劇の日本への導入が非常に気になって興味があった。当時この国の文化に存在しない概念、たとえば女性の自立、あるいは自由恋愛など、世間に普及していなかった概念が西洋の劇には散在していた。これらを全く違った形式、概念しか持ち合わせていない文化へ導入するための苦労は並大抵ではない。一体どうやってこれらを紹介したのだろう。こんな素朴な疑問を追いかけているうちに児童、教育演劇の導入がやはりこの人で始まったという情報を得た時に愕然とする。今からするとかなりずれていたり、理想的すぎたりするのだが、当時前例のない時代の事ゆえに、そういう情報に囲まれて暮らしている僕らは何も偉そうな口を利けるものではない。すべて試行錯誤の連続だったのだろう。本当に凄いと思う。

2016-02-28 08:58 | つれづれなるままに | コメント