今日は東京駅丸の内口駅前の東京工業倶楽部にてウィスコンシン大学日本同窓会( UW-Madison alumni meeting)が催された。出席者約80人は1950年代の初期の留学生から最近の卒業生まで、その学部、学位も種々多様だ。12時から始まった同窓会の最初のおよそ一時間を自分の講演と公演(マイムデモンストレーション)に割いて頂いた。これを依頼されたのは実は昨年の六月の鈴本演芸場での公演の直後であったのだが、一年とは本当に早いものだ。
英語でやろうか、日本語でやろうか散々迷ったのだが、結局前半の講義を英語でやり、後半の演芸を日本語でやるというちゃんぽんで行った。 この同窓会には2003年ごろに一度お邪魔していらいの2度目だが、たくさんの方々が覚えていて下さり嬉しかった。マディソン時代の友人の多くとも再会できたのがうれしかった。それぞれの分野でご活躍されている様子がうかがえて心強かったし、それが自分への刺激にもなった。
それぞれがそれぞれの縁を持ち、集ったウィスコンシン州マディソンという中西部の小都市。「袖すれ会うも他生の縁」というが、本当に縁とは面白いものだとつくづく思う。もしこの地へ赴かなかったら一生知りあうことのなかった仲間たち・・・それでも現実には縁があったのだ。自分が教育演劇の博士課程を全米で探していた時にたまたま出会ったUWMadisonという学校が、その後のアメリカ横断インタビューを行った4校の中で最高の条件を提示してくれた学校であった。ニューヨーク大学をはじめとした演劇学部のつわもの博士課程には受け入れられはしたものの、UWマディソンはそれ以上のオファーをくれた。フェローシップという最高の栄誉だ。なにしろ何も義務を負わないで授業料全額免除、そしてその上に月約千五百ドル(15万円以上)の奨学金をくれた!!実に博士課程の約6年間自分は一切の学費、生活費をこの州立大学によってサポートされたのだ。いずれはこの学校にも何らかの形で恩を返したいという気持ちがある。今は自分の分野を必死に開拓する事だ。(日本のどこに一介のマイム芸人の実績を認めてこのような待遇で受け入れてくれる学校があるであろうか?)
この学校の特徴としてはとにかく白人がやたらに多く、多数派である。黒人が非常に少ないのだ。そういえば、自分が面接に訪れた2000年に面白い事件がおこった。それは学校のカタログの表紙にフットボールの試合を応援するスタジアム席の多くの学生たちの顔写真を全面に出した年だったのだが、実は後で一人の黒人の学生が自分がいたはずのないスタジアムに自分の顔写真が写っているとクレームをつけたのだった。要するに白人で溢れたフットボールスタジアムに少しでも人種の多様性を付け加えようと担当オフィスがその学生に無断で顔写真を他の写真から切り抜いて白人の中に加えたらしいのだ!!(苦笑)このニュースは帰国後の読売新聞にも掲載されたほどであった。あまりにも稚拙な、そして初歩的なミスではあるが、この学校のデモグラフィー(人口統計)を如実に表している出来事であった。
UW-Madison (University of Wisconsin) をあまりご存じない方の為に少々説明をすると、とにかく日本では知名度はいまいちだが、その実力には目を見張るものがある!!大学院レベルで社会学部は常に全米No1のランキングを維持しているし、教育学部を始めとして多くの学部も常に全米でベスト10内に入っている。(ちなみにアメリカには約4000の大学があるのだ!)理系でもちょくちょく話題になっている。有名ところでは、ビタミンAの発見(1913)、ビタミンBの発見(1916年)、ビタミンDを食品に添加する方法の発見(1924年)、そして最近のものでは1998年に胚性幹細胞(ES細胞)の培養に初めて成功 (以上はウィキペディアより抜粋)という業績もある。もっと言えば例えばダンス学部が全米で初めてできたのもここマディソンのキャンパスなのだ。いまでこそ全米には演劇学部や教育学部に必ずあるダンス科ではあるが、その走りはここのキャンパスなのだ。今もバスコムヒルという丘の中腹にはその記念碑が建っている。まだブランド名だけを目指す学生が多い日本でこそ知名度は低いが、アジア諸国、特に韓国や中国ではそれぞれの選りすぐりのエリートたちが集う学校なのである。 何しろあのフランクロイド・ライトだってかつては学生だったのだ!!
もっとも自分のような特別変な例外もあるのだが(苦笑) On Wisconsin!
http://www.waa-japan.com/ (Wisconsin Alumni Association of Japan)
(写真は同窓会終了後の東京工業倶楽部にて幹事会の皆さんと)
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