次々に破れる靴底の謎!?

最近またまたお気に入りの革靴のゴム底が破れてしまった。どこの靴屋さんに持ち込んでも修理不能だといわれた。今年に入ってすでに二足目になる。二足ともClarksのそれなりに値のはる上等な靴だ。それにしても縫い目にそってゴム自体が裂けるこの謎がしばらく気にかかって仕方なかった。
先日21日に佐倉にて英語マイムのバージョンアップワークショップの際、その謎の一端が遂に解けたのだ。最近、本格的なマイムのワークショップに加え、英語やら教育学などを主体に置いたワークショップが多くなってきている。従来のマイムのみのワークショップの場合、それ相応のアウトフィットと専門のシューズに必ず履き換えてから行うものだったが、内容が英語だったりするとついつい、着るものも、そして履く靴も日常のままで行ってしまうのだ。そしてその結果、結局は様々なマイムの動きをデモンストレーションすることにより、普通の靴底に知らぬ間に不自然な負担がかかっていたのだ。(と断定はするものの、もちろん確たる証拠はまだない)。
マイムでのウォーク、やらトランスフォーメーション(変身)のテクニックにおける足底の使いかたは尋常な人間の歩行時の使いかたとはまったくちがい、バランスやらプレッシャーのかかり方が極端に普段とは異なる場所にかかることになる。たとえばサルの歩き方などは両足の外側を駆使してサル特有のリズムを作り上げる。そしてもちろん通常の靴の設計過程ではそんなバランスの掛け方は予期していないし、準備も出来ていないはずだ。ん~、これは大変な発見だ。もちろんもっと突き詰めれば、人間の身体自体、これらのマイムの動きを予期して設計されていないのかも知れない!!ぞ~っという予感が頭をよぎる。あの裂けた靴のように自分の身体もやがては・・・・・ん~、まあいたし方ないのかも知れない。それでこそ他人が驚嘆するような動きが創造されるのであるから・・・
それにしても日本ではやはりまだまだ私のような長身のものは靴一足さがすのにも時間がかかること! 破れた靴に代わる靴を探そうと新宿をさまよい続けたが気に入った靴は悉く28cmまでしかない。ちなみに足のサイズは28.5cm (身長186cm) アメリカに住んでしばらく忘れていた日本の不自由さがまたまた蘇ってきた一日だった。ああ、そういえば最近家のキッチンで皿洗いしていると腰が痛くなるわけだ!!(苦笑)

2007-12-23 03:54 | ひとりごと | コメント

新鮮でほっとした「メリークリスマス!!」の文字

今日は目黒区の八雲学園という女子校での芸術鑑賞会の舞台だった。早朝5時半、まだ暗い中、家をでて、7時より仕込み。朝7時前に校舎前に車をつけると校舎の壁面一杯に”Merry Christmas!” というおおきな幕の文字が目に入った。このところアメリカでは公的な学校などではめっきり見られなくなってしまった表現である(もちろんミッション系の私立学校は除いて)。
なぜ?と思われる方もいらっしゃると思うが、簡単に言えば、多文化主義の流れにより、他民族、他宗教、他文化への配慮という大義名分(いわゆるPC=ポリティカルコレクトネスともいう)でもって言葉の表現に過敏になっているのであります。つまりメーリークリスマス!!とはあくまでキリスト教のお祭りであり、他宗教の人間にとってはメリークリスマスではないとの論理なのです。では、アメリカでは公衆でのこの時期の挨拶はどのようにされているのか?といえば”Happy Holidays!”と最近では皆言うようになっています。大統領も、知事さんも、そして校長先生からコミュニティーの皆さんまで、すべてハッピーホリデーズ!!ちょうどこの時期は他宗教の多くも様々な儀式やらお祭りがあり、それを総括して当たり障りのない表現にしたものがこれなのです。
ちなみに自分の以前住んでいたニューヨークではユダヤ人口が多く、彼らはこの時期ユダヤ暦Kislev月の25日から8日間行われるユダヤ教徒の祭り「ハヌカ」というものを行います。これはシリア王とのマカベア戦争(紀元前168~141年)に勝利し、汚されたエレサレム神殿を清めて再び神に奉納したことを記念するお祭りであります。
もっともこの言い換えの流れを如実に肌で感じたのは自分がまだアメリカにいた2003~4年くらいだっただろうか。たとえばクリスマスツリーなども「コミュニティーツリー」だとかいう表現で言い換えられたりしていた。そして学校ではクリスマスソングも歌われなくなったのです。去年あたりも確かワシントンの空港でクリスマスツリーのイルミネーションを相手取り、一部のユダヤ人が訴えるぞとおどかしたもので空港は保身の為に即、全てのツリーイルミネーションを取り払ってしまったという悲しいニュースを聞いたのを覚えています。もっともこれに対してあるクリスチャンのグループはメリークリスマスといわずにハッピーホリデーズと言い換えて広告を出している店での不買運動などをおこしたりとその反応も様々なようです。
ただ、今朝そんな厳しいアメリカでの状況をよそに、学校全体が一緒に「メリークリスマス!!」とさわやかに祝っているのがとても新鮮でホットさせる晴れやかさというか、ある種の安らぎを覚えたのです。思えば日本人の宗教感とは不思議で、曖昧さの中にも、その懐の深さがあり、そして皆でいろいろ祝おうという素敵なコミュニティースピリットがあるのだと思う。同時通訳の神様、國弘正雄先生が以前面白い表現をされていたのを思い出す。それは西洋の宗教感とはmuturally exclusive (つまり他者を常に排他するもの)であり、日本のそれは muturally permeative (つまりお互いを受容しつつ認め合うもの)だと見事に表現されていらっしゃった。考えてみれば所詮クリスマス自体、ローマ帝国の初期まであった異教徒達が行っていたお祭りやら儀式を踏襲しながら変形させていったものに過ぎない。聖書のどこにもイエスが25日に生まれたなんて書かれていないのだ。それを青筋たてながら、口角泡を飛ばして争う意義がどこにあるというのだろうか?
とにかく今日の学校は本当に一言でいうと「品がある」しかし、「飾らないさわやかさ」が感じられた学校だった。最初から客席の盛り上がりは凄かったし、しかもそれでいて悪乗りはしない、とても理想的な、洗練された生徒さんだったというのが正直な感想だ。やはり毎月様々な課外行事を経験している効果なのだろうか。 (写真は二歳の息子が知らない間にクリスマスツリーに掛けたソフトクリームのおもちゃ。既に見事な主張がある!!笑)

2007-12-18 10:59 | 公演 | コメント

今さらEMS?!(涙)

先日、ウィスコンシン大学の教授よりメールがきた。ウィスコンシン州マディソンは冬まっさかりの雪の中らしい。メールはアメリカ教育演劇学会AATE(American Alliance for Theatre & Education) が募集している優秀論文賞に私の博士論文を是非ノミネートしたいのですぐに提出するように、との事だった。ただし、その提出締め切りがもう目の前に迫っていた。すぐに論文のコピー6部を学会に提出するように!!との事だった。
締め切りが近い為、すでにEMS(国際スピード郵便)しか手がなかった。いや、それよりも忙しいスケジュールをぬっておよそ300ページの博士論文を6部!!もプリントアウトしなくてはならない!!(汗) 内心「オイオイ、今の時代にハードコピーをプリントアウトして郵送かよ!!メール添付で審査員全員に送らせてくれ~、お願いだから、それぞれがPCでみてよ~!!」とつくづく思いつつ、その日中に300×6部の論文を箱に詰め込んで郵便局へ持っていった。やたら重いのでいやな予感がした。なんと送料だけでも12000円以上!!キエ~!!
結果は来年春らしいので、期待せずに待とう・・・・・・先方の教授の方からノミネートを言い出してくださるだけでも幸せと思わねば!!・・・・しかし、送料の高さもだが、プリントアウトでレーザープリンタのトナーを一本使い切ってしまった!!(もちろん、使用途中のものではあったが・・・) 学会のみなさん、資源を守る為にもこれからは論文審査はハードコピーでするのやめませんか?(苦笑)
(写真は私の博士論文・・・・もちろん一部です汗)

2007-12-15 08:14 | ひとりごと | コメント