金田一秀穂先生と永六輔師匠


今日は朝からNHKのスタジオ入りし、「日本語クイックレッスン」というテレビ講座の収録をした。英語でセリフをいいながら日本語をマイムで動いて見せるという面白い企画、構成のコーナーを担当させていただいている。NHK国際放送による海外向けの番組なのだが、この番組の為に30回分の収録をしなくてはならない。今日はやっと10本撮りおわった。動く事よりも、むしろ英語のセリフを意識しながらの振り付けにとても緊張を強いられた。終わったらもう身体も神経もぴりぴり状態でどっと疲れがたまった。でも撮影自体はとても楽しいし、スタッフも本当に素敵な方々だ。
途中でこの番組のホストであり、解説者である、日本語の大御所、金田一秀穂先生が奥様とご一緒にいらして収録をご覧になられていた。初めてお目にかかる先生は本当に気さくな方で撮影終了後、昼ごはんを食べながら、気軽にいろいろなお話をさせていただいた。先生は以前ハーバード大学に研究にいらした事があり、同じハーバードで教えた経験のある私の妻といろいろな共通の友人の話題に花が咲いた。 (写真上は金田一秀穂先生とカンジヤママイム、NHKスタジオにて)
その後カンジヤマは元浅草の最尊寺へ直行。ここは永六輔さんのご実家であり、二十年以上まえから定期的に寄席をおこなっている。久しぶりにこの寄席に出演させていただいた。ネタ帳をみると、なんと21年前、1987年の第20回目に初出演している。カンジヤマまだ29歳の時である。うううううう光陰矢の如し。少し早めに行き、最尊寺の仏壇にお花とお線香でご挨拶させていただいた。亡くなった永さんのお母様、そしてお兄様には本当に本当にいろいろ優しくしていただいた。合掌してお写真のお姿を久しぶりに拝見したら感謝の気持ちで涙が溢れてきた。
さて、時代は変わっても、相変わらず本当に素晴らしいお客様で、皆さんマイムに大笑いしてくださった。マイムの後お客様の前で永さんとのトークをし、その後最尊寺をあとにし、新宿までの車の中で、久しぶりに永さんと芸に関してのいろいろな話をさせていただいた。本当に本当に嬉しかった。様々なアドバイスを沢山いただいた。永さんはカンジヤマのこころの師であり、話しながらするおしゃべりなマイムの産みの親でもあられる。この方なしでは今のカンジヤマはないといえるくらいお世話になったのだ。そんな永さんと、もしかしたら初めてのツーショットを撮らせていただいた。今日は朝から晩まで忙しいながらも実に充実した日だった。日本語の大御所と話芸の大御所、それぞれにやはり輝いている。自分もこんな風に輝いていなくては!! 感謝感謝そして感謝である。(写真下は永さんと元浅草の最尊寺にて)

2008-03-05 11:23 | ひとりごと | コメント

国立演芸場にて

今日は演芸場につくなり、楽屋のメッセージ版がすぐに眼に入った。一瞬ドキッとした。「目の不自由なお客様の団体」!!ん~マイム芸人にとっての試練だ。
演芸場の楽屋にはいろいろなメッセージが書いてある。時にお客様の団体名、そして其のお客様たちの様々な情報。つまり落語や演芸にはさまざまなネタなり、芸のもって行き方がある。それが其の日のお客様にいちばん適切なネタであったり、もって行き方だったりを選べるように、そして何よりも失礼に当たらないようにするためのものである。今日は其の団体の他にも都内の中学校の先生、生徒さんたち100人以上がいらした。
ん~、いくら「おしゃべりなパントマイム」といえども目の不自由な団体さんのお客様にはかなり戸惑った。試行錯誤の考察の末、やはり自然にいつもどおりやるしかないとハラを決め、なるべくやったネタに関してのしゃべりのネタに丁寧な解説をごくごく自然にそえることしかないと覚悟をきめた。ただ運がよかったのは他に100名以上の中学校の鑑賞会のメンバーがいたことだった。いや~指揮者ネタから中学生達が大笑いしたり驚いたりどよめいてくれたので会場の空気がパッと明るくなり、そして其の団体の皆さんもとても素敵な朗らかな顔をされてそのどよめきを楽しんでくださっているようだった。そう、たとえ見えなくともこのお客様のまわりに感じられるこの空気をつくることが自分の使命なのだと途中でおくればせながら気づかされた。いや、教えていただいたのだ。目先の笑いや「受け」についついとらわれていた自分に気がついた。
寄席は本当に修行の場だ。
さて、明日は早朝からNHKにて国際放送「日本語クイックレッスン」の収録だ。パントマイムのコーナーで英語で挨拶しながらマイムで日本語を見せるという試みだ。その後永六輔さんのご実家の元浅草の最尊寺にての寄席、「永住亭」に六時半より出演する。

2008-03-04 10:40 | ひとりごと | コメント

遠方より友来る

3月2,3,4日と国立演芸場の代演がつづいている。そんな演芸場に今日はウィスコンシン時代の友人が遠方より訪ねてきてくれた。2001年にマディソンに住み始めたときに大学院の寮のたまたま隣の部屋にいた京大出身のケンジ君、いや正確にはヨシモト博士、そしてもう一人は2002年に東工大から交換留学してきたトミ(a doctor to be)の二人だ。それぞれにケンジ君はアメリカのナノテクの分野最先端で活躍中(現在一時帰国中)、そしてトミは現在東工大の大学院博士課程に在籍しながらプラズマに関する研究をしているというスゲエツワモノたちなのだ!!なんで芸人のこの自分がこんなすごい、しかも理系の若者たちとつきあいがあるのだろうかとつくづく感心?!してしまう(笑)。(やはり、人望だな・・・・といってみたい・・爆)  いろいろな世間話や思い出話に花が咲いた。
そんなこんなで昼食をともにしていて長い話をしているうちに思い出した事がある。あれはアメリカでの博士課程終盤の時の事だった。(上記の二人はこの件には関わってはいなかったが・・・)四月一日のエイプリルフールについつい悪戯心を起こし、でみんなに軽い気持ちでメールをした。「私、やはり博士課程には向いていない事を自覚いたしましたゆえに、今後は芸の道に専念するべく帰国することになりました・・・云々」
なんとそれから数時間後大勢の友人達がそれぞれにお別れのシャンパン、ワイン、その他いろいろな餞別のプレゼントを持参して自分のアパートまできてくれてしまったのだ!!(汗)いやはや、みんな今日はエイプリルフールだぜ!!なんていえない雰囲気・・・・やばい(汗)・・・一人にいわれた「友達なくしますよ・・・・」・・・うううう(冷汗)このときは正直生きた心地しなかったのだまあ、それだけ沢山の素敵な友人達に囲まれていたのも事実だけど・・・(苦笑)
このブログは実はウィスコンシンの仲間達も読んでくれているらしいので報告の意味もかねて今日の写真を載せさせて頂きます。みんな元気でそれぞれの分野でがんばってますぞ~!!
(写真は左からトミ、カンジヤマ、そしてケンジ君と国立劇場の食堂にて)

2008-03-03 08:31 | ひとりごと | コメント