病院にて~、そして明日のNHK!!

都内の大きな病院を訪れた。小児癌などのため院内でずっとつらい医療処置を強いられながら闘病している子供たちにパフォーマンスで笑いとくつろぎのひと時をプレゼントするというボランティアワークだ。今回も「ゆいの会」を通じて、このご縁に恵まれた。昨年の9月14日のブログ「病院でのマイム、そして人々とのご縁」でもその事に触れたが、今回もつくづくこの活動の大切さに気づかされた。
きてくれるこども達は様々でそれぞれの事情で途中から参加したり、途中で抜けたりもする。ある子供はずっと点滴をつけながら、そして他のこどもはストレッチャーに寝ながら、そしてまた髪の毛をすっかり失っている子達もいる。そして中には生まれてから10年ちかくずっと病院で暮らしており、家庭というものを知らない子供もいるのだ。彼らにとってはこの病院の病室と廊下が世界の全てであり、他の子供が普通に味わえる外の楽しみ・・暗くなるまで走り回ったり、知らない場所を探検したり・・・することもできないのだ。
では誰が彼らに、そしてどんな形で救いの手を差し伸べて上げられるのだろうか?子供らはその辛さを世間に自ら訴える事はできない。つまりなされるがままの弱い弱い立場の人間だ。又現在の病院は病気を治そうとするところであり、治療中心で入院患者の社会的な生活、とくに文化的な生活まで配慮する余裕もない。だとしたら彼らにとって文化的な娯楽、・・・必ずしも大掛かりである必要はない、ひと時をくつろぎながら大笑いして、驚いてそして少し感動できて、辛いことを一瞬でも忘れてしまうひと時でよいのだ・・・とは不可能な事なのだろうか?これは彼らにとってはたして「贅沢な願い」なのだろうか?
このような事を主催してくれる「ゆいの会」とはもともとご自分の息子さんを急性リンパ性白血病のためなくされた女性が、その闘病の辛さ、苦しさを自ら息子さんと体験し、その末、その息子さんの死を決して無駄にしないように、その体験の意味を問い続けた結果決断され、まったく一人で始められた会である。現在同じ闘病で苦しんでいる子供たちと介護する家族の人々に一瞬でもよいからくつろぎの時間を与えてあげたいという一心から始められた会だ。さて、あなたならこの子供たちになにができるのだろうか。もしプロの芸人であったら是非自分のように参加してみませんか?そしてもしあなたが何かの形で助成活動、あるいは助成金が都合できるなら是非お願いします。来週は沖縄の病院に行きます。そしてこういった移動、宿泊の為にもかなりの金額が必要なのです。辛そうな暗い子供の顔を見たくない、そんな顔みたらどうにかして笑わせてあげたい。そんな一心でお手伝いしています。http://www.yuinokai.net/purpose.html 
さてさて、その病院の子供たちにもお願いしてきたのだが、明日9日の日曜日はいよいよNHKテレビ「笑いがいちばん」放送予定日だ。午後一時五分から三十分、いろんな芸が見られます。他の芸人さんも面白いぞ~今回の特集は「もう一つの顔をもつ芸人さん」です。お楽しみに!!

2008-03-08 07:59 | ひとりごと | コメント(1)

金田一秀穂先生と永六輔師匠


今日は朝からNHKのスタジオ入りし、「日本語クイックレッスン」というテレビ講座の収録をした。英語でセリフをいいながら日本語をマイムで動いて見せるという面白い企画、構成のコーナーを担当させていただいている。NHK国際放送による海外向けの番組なのだが、この番組の為に30回分の収録をしなくてはならない。今日はやっと10本撮りおわった。動く事よりも、むしろ英語のセリフを意識しながらの振り付けにとても緊張を強いられた。終わったらもう身体も神経もぴりぴり状態でどっと疲れがたまった。でも撮影自体はとても楽しいし、スタッフも本当に素敵な方々だ。
途中でこの番組のホストであり、解説者である、日本語の大御所、金田一秀穂先生が奥様とご一緒にいらして収録をご覧になられていた。初めてお目にかかる先生は本当に気さくな方で撮影終了後、昼ごはんを食べながら、気軽にいろいろなお話をさせていただいた。先生は以前ハーバード大学に研究にいらした事があり、同じハーバードで教えた経験のある私の妻といろいろな共通の友人の話題に花が咲いた。 (写真上は金田一秀穂先生とカンジヤママイム、NHKスタジオにて)
その後カンジヤマは元浅草の最尊寺へ直行。ここは永六輔さんのご実家であり、二十年以上まえから定期的に寄席をおこなっている。久しぶりにこの寄席に出演させていただいた。ネタ帳をみると、なんと21年前、1987年の第20回目に初出演している。カンジヤマまだ29歳の時である。うううううう光陰矢の如し。少し早めに行き、最尊寺の仏壇にお花とお線香でご挨拶させていただいた。亡くなった永さんのお母様、そしてお兄様には本当に本当にいろいろ優しくしていただいた。合掌してお写真のお姿を久しぶりに拝見したら感謝の気持ちで涙が溢れてきた。
さて、時代は変わっても、相変わらず本当に素晴らしいお客様で、皆さんマイムに大笑いしてくださった。マイムの後お客様の前で永さんとのトークをし、その後最尊寺をあとにし、新宿までの車の中で、久しぶりに永さんと芸に関してのいろいろな話をさせていただいた。本当に本当に嬉しかった。様々なアドバイスを沢山いただいた。永さんはカンジヤマのこころの師であり、話しながらするおしゃべりなマイムの産みの親でもあられる。この方なしでは今のカンジヤマはないといえるくらいお世話になったのだ。そんな永さんと、もしかしたら初めてのツーショットを撮らせていただいた。今日は朝から晩まで忙しいながらも実に充実した日だった。日本語の大御所と話芸の大御所、それぞれにやはり輝いている。自分もこんな風に輝いていなくては!! 感謝感謝そして感謝である。(写真下は永さんと元浅草の最尊寺にて)

2008-03-05 11:23 | ひとりごと | コメント

国立演芸場にて

今日は演芸場につくなり、楽屋のメッセージ版がすぐに眼に入った。一瞬ドキッとした。「目の不自由なお客様の団体」!!ん~マイム芸人にとっての試練だ。
演芸場の楽屋にはいろいろなメッセージが書いてある。時にお客様の団体名、そして其のお客様たちの様々な情報。つまり落語や演芸にはさまざまなネタなり、芸のもって行き方がある。それが其の日のお客様にいちばん適切なネタであったり、もって行き方だったりを選べるように、そして何よりも失礼に当たらないようにするためのものである。今日は其の団体の他にも都内の中学校の先生、生徒さんたち100人以上がいらした。
ん~、いくら「おしゃべりなパントマイム」といえども目の不自由な団体さんのお客様にはかなり戸惑った。試行錯誤の考察の末、やはり自然にいつもどおりやるしかないとハラを決め、なるべくやったネタに関してのしゃべりのネタに丁寧な解説をごくごく自然にそえることしかないと覚悟をきめた。ただ運がよかったのは他に100名以上の中学校の鑑賞会のメンバーがいたことだった。いや~指揮者ネタから中学生達が大笑いしたり驚いたりどよめいてくれたので会場の空気がパッと明るくなり、そして其の団体の皆さんもとても素敵な朗らかな顔をされてそのどよめきを楽しんでくださっているようだった。そう、たとえ見えなくともこのお客様のまわりに感じられるこの空気をつくることが自分の使命なのだと途中でおくればせながら気づかされた。いや、教えていただいたのだ。目先の笑いや「受け」についついとらわれていた自分に気がついた。
寄席は本当に修行の場だ。
さて、明日は早朝からNHKにて国際放送「日本語クイックレッスン」の収録だ。パントマイムのコーナーで英語で挨拶しながらマイムで日本語を見せるという試みだ。その後永六輔さんのご実家の元浅草の最尊寺にての寄席、「永住亭」に六時半より出演する。

2008-03-04 10:40 | ひとりごと | コメント