古今亭志ん輔師匠の会

12日は国立能楽堂にてプロジェクトSI主催の狂言、オペラを巧みに融合したリア王を観劇した。ものすごく勉強になる。伝統的なスタイルが原作をよりダイナミックに表現できる場合と、その様式が逆効果になる場合とがある。もちろんほとんどの場合それはものすごく効果的に使われていた。が、しかし、逆に伝統芸能がその型を外れて自由な演技をしようとした時に起こる落差のようなものをも感じた点がとても興味深かった。リアの発狂のシーンが自分であれば、より形式的な演出にしても面白かったかなとも思った。なにしろこの壮大なプロジェクトはまだまだ始まったばかり。六月のハムレットに続いて今回のリア王、そして来年のオセロと本当にエネルギッシュな翻案を試みる早稲田大学の関根教授に脱帽。
昨日は早稲田の授業終了後国立演芸場へ。古今亭志ん輔師匠の会にゲスト出演。以前のブログにも書いたが、この師匠の「子はかすがい」という落語を初めて聴いたときの感動は本当に衝撃的なものだった。その後何度聞いても自分はおお泣きしてしまうのだ、この師匠のこの噺には!!今回も本当にいろいろな試みをされていらっしゃり、刺激的だった。普段の地道な精進がうかがえる。自分は甘いなと思った。
国立演芸場に入る直前に大劇場の脇に、それはそれはものすごく大きなまん丸の月がでていた。これも感動!急いで携帯で写真をとったが、やはりそれは携帯写真、残念ながらその美しい姿は撮れていなかった。やはり芸でも月でも生が一番!!
写真はその時の携帯写真です。 

2008-11-14 11:40 | ひとりごと | コメント(2)

学校公演の感想

最近学校(おもに中学~高校)からの舞台の依頼が殺到しているが、そんな中、先日公演した静岡県の清水第七中学校のPTAの皆さんから素敵なお手紙を頂いた。今度機会をみて、このウェブにもアップしたいと思っている(ご了承を頂きましたので!!) やはり最近ことにテレビの無芸な身内受けのお笑いに少しずつ飽きが来ているような気がする。正直言えばどんな素人であっても一つや二つの大笑いネタは作れるし、いったんテレビである程度顔が露出されれば、陳腐なことをやっていてもそれなりに笑いがとれる場合もある。しかし、そんなことが長くは続かないはずだ。そして相変わらずそんな素人笑いを「使い捨て」しながらながらえている番組も少々疲れが出てきているかのごとく感じられる。 今回の手紙もそんな面を強く感じてご指摘くださっていたのがうれしかった。生の舞台の臨場感で今まさに目の前で行われている芸に触れることの大切さをご指摘くださった。以前にもこのブログに書いたが、公演終了後、その学校に通う高校生のみなさんからも個人的な感動のメールをたくさん頂いている。こういった生の舞台経験がまた直接生の声としてメールで頂けることが本当にうれしくてしかたない。そして教えている大学のクラスにこんな経験をしてくれた学生さんたちの何人かがたまたま、知らずに入ってきては、私の顔と芸名を聞いてまたまた驚いて、その時の感動を話してくれることが最近よくある。人生巡り巡って一期一会のたくさんの宝が心に蓄積されてくる。本当にありがたいことだ。

2008-11-11 01:55 | つれづれなるままに | コメント(2)

知命事始め

今朝は4時起床、5時に家をでて、6時から舞台仕込み、神奈川の某小学校にて午前中に2ステージをこなした後、早稲田の授業に直行した。その後も舞台をこなしてクタクタで帰宅後、家族でこじんまりしたB-day 食事会。忙しさの中にも仕事の充実感、そして生きているという充足感に満ちあふれた一日だった。
自分がマイムの師匠、トニー・モンタナロ氏にニューヨークで初めて出会ったのがかれこれ28年前、私は22歳、そして彼は当時ちょど今の私の年齢であった。その師匠の年齢に今到達してしまった自分を見つめ、改めて感慨に浸った。知命とは自らの天命を知るという年齢だという。自分の天命とは?・・・うっしっしっし、実はうすうす感じているのだ。最近だんだんわかってきたのだ。でも、教えない、誰にも!(笑)
今日は朝からたくさんのメール、手紙、宅急便いただきました。みなさん本当にありがとうございます。心から感謝感謝です。合掌

2008-11-06 11:44 | つれづれなるままに | コメント(2)