子どもの反応色々・・・


久々に息子(6歳)と自転車で街を走り回ってきた。最近「オズの魔法使い」に興味を抱き、どうしてもオリジナルビデオが見たいと言いだしたのでビデオレンタルでオズをゲット。その後、駅にむかって自転車を走らせていたら、交差点で信号待ちしていた若い母親が、自転車後部幼児用座席ですっかり眠りこけた幼い娘に向かってシャッターを切っていた。子どもの突然眠りこける可愛さ、それを愛おしむ母親の微笑ましい光景に思わず声をかけた。「子供って突然寝ちゃって、本当に可愛いですよね~!」・・・その母親が頷いて微笑み返してくれた・・・と、ここまでは良かったのだが、すると、その瞬間となりでヘルメット姿の息子が人差し指を上に向けてニヤケながら意味ありげに「パパ、お友達になれてよかったね~~~(笑)」・・・おいおい、なんかナンパしてるように聞こえるじゃん(苦笑)余計な事いうな~~!!(爆)
その夜。食卓で自転車での安全確認の話から、思わず自分の思い出話を始めた。それは息子より一つ上、つまり小学校二年の時の運動会に親友を交通事故で亡くした話だった。運動会に朝から姿を見せずに不思議に思っていた所、その親友の死を告げられた。彼は朝学校へ来る途中に忘れ物に気づき、一旦乗ったバスを飛び降り、そのバスの前から道路を慌てて横切った瞬間に反対車線から来たマイクロバスに轢かれてしまったのだ。本当にショックだった。 そして如何に僕らがその友人の葬式でどうしようもない怒りと悲しみを抱いていたかを息子に話した。交通事故が如何に多くの悲しみを生むかを伝えたかったのだ。ところが予想外な展開が起こったのだ。
その葬儀の際、小学校二年の私達には、ただただ友人がマイクロバスに殺されたという事実のみが重くのしかかっており、葬儀の会場の前に(おそらく葬儀参加者の為の)マイクロバスが何台か並んでいたのだが、そのマイクロバスに向かって他の友人といっしょにその周辺に咲き乱れていた植物の実を必死で投げつけたのだ。どうしようもない怒りと悲しみを込めて、そこいらじゅうに咲いていた実を投げつけた・・・・と。すると、ここまで聞いていた息子は、突然目に涙をためながら私を睨みつけ、「おい!なんで何も悪くないマイクロバスにそんなひどい事するんだ!!パパはなんて悪いんだ。そんな事したらマイクロバスがかわいそうじゃないか!!悪いのは運転手だろ。」と怒鳴りだしたのだった。・・・・唖然とした・・・こんなにマジに息子に怒りを込めて怒鳴られたのは初めてだった。・・・おい、おい、違うだろ・・・妻に助け舟を求めたが、彼女も一瞬戸惑っていた。動転してついつい理詰めで説明しようとしてしまうのは大人のサガ。しかし、息子はまったく耳を傾けようとはしない。とにかく何も罪のないマイクロバスがかわいそうで仕方ないのだ。ワンワン泣き出してしまった。
冷静になるまでに暫らく(お互いに)時間がかかった。自分も混乱してしまい、当初は何が何だかさっぱりわからなかったが、思うに彼にとっては電車や車は人と同じ人格をもった存在なのだろう。そしてその罪のないバスが木の実を投げつけられている光景に耐えられなかったに違いない。子どもの繊細な反応に驚き、そして感心もしてしまう。そして如何に私達大人とは違う観点でものが見えているかを改めて感じ入ってしまった。最近NHK「おかあさん~」に於いても子どもについて未発見の多くの事を学んだが、まだまだ大人は子供が見えて無いように思う。自分らがかつて感じていた事、見ていた視点。忘れてしまった事が余りにも多そうだ。
その後、息子はトムとジェリーをみながら大笑いしていた・・・:まるで何もなかったかのように。一日の終わりには一緒に風呂に入り、いつものひょうきんな息子を堪能した。

2012-05-20 06:34 | ひとりごと | コメント(7)

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