コロナ休暇の徒然なるままに

元NHKエグゼクティブアナウンサーの村上信夫さんより映画バトンリレーのバトンを渡して頂きましたので、今日から僕も参加させていただきます。
【人生を変えた映画バトンリレー】~life changed movies
このバトンリレーは人生を変えた映画を7日間連続でご紹介する映画リレーです。
・中身の概略はオッケー詳しくは内緒
・なぜ選んだか?
・何が変わったか?
・おすすめポイント
など、自由に人生を変えた映画を紹介するバトンリレーです。
僕の第一回目はこれです!!「MR Holland’s Opus: 邦題:陽のあたる教室」です。1995年のアメリカ映画です。主演のリチャード・ドレイファスは1995年アカデミー主演男優賞候補になりました。
舞台は1965年のアメリカ、作曲家を夢見ていた元バンドマンのホランドは夢を叶えるまでの一時的な経済的な安定を求めて、「腰かけ」のつもりで高校の音楽教師を始めます。彼にしてみれば音楽教師はプロの音楽家から見ればランク的には下という認識。そういった動機ですので、彼は適当に授業を済ませるとさっさと帰宅し、作曲に励みます。女性校長のヘレン・ジェイコブズはそんな彼の態度を窘め、本来の教師の道を説きます。
そんな彼は、やがて、音楽が退屈で全く興味を示さない若者たちにどのように本来の音楽の魅力を教えるべきかを模索し始め、教科書を捨てます。そしてその過程で、改めて自分の音楽をやる意義を学ばされることになるのです。生徒一人一人がしょったコンプレックスなどにきめ細やかに立会いながら、その個々の長所を見つめさせながら、次第に生徒たちの中に音楽に対する関心がわき始め、また自分の中にも音楽教師としての誇りが自覚されるようになります。そんな中、妻の妊娠をしり、もう作曲家の夢をあきらめて教師の道を進むしかないと決心します。しかし、そんな彼に次々に試練が、、、一生懸命指導した女学生との間に恋心が芽生えそうになったり、魂が触れ合った学生が戦士したり、あるいは成長して立派になったり、本当に心が動かされます。最後も圧巻です。教師の喜びってこうなんだ!!というクライマックスです。僕は現在も早稲田で担当する「教育演劇学」なる授業で、この映画を必ず学生に見てもらう事にしています。一緒にみていると、必ず最後に目にあふれる涙を必死に学生に見られないようにしている自分がいます(苦笑)
映画のカバーする年代は広範囲にわたり、その中に60年代から90年代の様々な名曲が各所にちりばめられており、時代の流れを肌で感じる事ができます。まるでその時代が体の中によみがえるような感じです。そして、実はこの映画は僕の青春をなぞっているような気分にさせる出来事がいくつかあります。多少ネタバレの感はありますが、その一つを、、、、、劇の後半ホランド先生の学校は、アメリカの80年代のレーガン大統領による予算の削減という事態に遭遇します。そこで学校が下した最後の決断とは、、、、今でも横行しておりますが、一番「なくてもこまらない、、、少なくとも困らなく見える、、、芸術科目を割愛すること」でした。それゆえ、ホランド先生をはじめとする芸術系の先生がみな解雇を余儀なくされる、、、これ以上はお話ししませんが、実は僕自身この影響をもろにかぶった青春時代でした。
1981年に、ニューヨーク州立大学で演劇学を修め、次の大学院修士課程を当時盛んだった「教育演劇学」のメッカ、シアトルにあるワシントン大学で学ぼうと燃えておりました。学科審査、面接などを終え、合格通知をもらい、いよいよ9月からの入学を夢見ていた時に、一通の手紙が日本の実家に届きました。「大規模な政府予算の削減により、当大学の教育演劇学科は閉鎖されることになりました!!」 「えええええ~~~~!!」僕はそこで学ぶ事を夢見ており、そこしか受けていなかった!!結果、留学浪人(厳密には当時まだ間に合ったハワイ大学大学院で短期間アジア演劇の勉強をするのですが)をして、もとのニューヨーク州立大学の修士課程にもどりますが、この時ほど、芸術科目のあやうさ、、、人々のそれに対する認識の甘さを実感したことはありませんでした。
また、この映画の中では80年の12月8日に起こったジョンレノンの射殺事件も全米を揺るがすニュースとして扱われ、登場人物たちも動揺しているのですが、僕はちょうどジョンがころされた12月8日にニューヨークにおり、その衝撃を全身で味わい、恐怖に震えていた事もありました。まさに青春のページを一ページ一ページめくるような感動の映画です。この映画は私に教育演劇という分野に40歳過ぎてから今一度挑戦するチャンスを与えてくれた映画です。結局ニューヨークでは演劇史など一般演劇理論を学びまあしたが、その後41歳にて、一度舞台を離れ、再度渡米し、この芸術教育を再び研究するチャンスをくれた映画です。
2020-05-08 12:02 | つれづれなるままに | コメント

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