今回の話題は、私の親友のブログ(http://scienglish.exblog.jp/)から転用させて頂いた。上記の文章(The Telegraph Science News よりの引用)は本年度のノーベル医学生理学賞を受賞した英ケンブリッジ大の名誉教授ジョン・ガートン博士のイートン校での学生時代の通知表だという。ざっと意訳してみる。「惨憺たる学期だった。彼の成績はまったくひどいものである。テストの成績も最低のもので、ある教科などは50点満点の内、2点であった。他の科目も目を覆うようなものであった。彼は人の言う事には一切耳を傾けず、自分の独自のやり方で行う事を主張する。本人は科学者になりたいなどという希望をもっているようだが、現状ではそれは単に馬鹿げた話である。彼が今の如く単純で基本的な生物理論を学ぼうとしないならば、専門家として仕事などできるわけなどない。そしてこのプロセスは彼にとっても、教える側にとっても単なる時間の無駄遣いとしか考えられないのだ。」
悲惨という枠をを通り越した酷評だ。まさに絶望的。そして本人はこれを記念に自室に飾っているという(笑)当時彼は15歳。学校教育のはみ出し人間の典型だったようだ。これを読んで私は、アップル創始者のステーブ・ジョブ氏の事を思い起こした。彼も大学をドロップアウトした。だが、彼は単位など気にせずに、心の赴くままに大学にとどまり、カリグラフィー(装飾文字)のクラスを聴講し続ける。後にこれがアップルPCの強力な武器になる事も知らずに・・・・そしてジョブ氏はスタンフォード大学の卒業式にこの事を引き合いにだしてこういったのだ。Have the courage to follow your heart and intuition!! つまり自分の心と直感の赴くままに行動を起こす勇気をもて!!と!!
最近の大学生を見ていると、彼らの授業の取り方(あるいは生き方)は常に八方美人的、打算的な妥協に終始している様な気がする。つまり、この授業は就職に便利だ。この授業は単位がとりやすい。先生がこう言っているからこういえば点数が取れるだろう。等々。心にもない授業をとり、魅力を感じない学問を「我慢して」単位をとり、先生に好かれようとし、とにかく学位をとって卒業し、就職し、平凡な暮らしをすることしか考えていない。
ジョブ氏のように自分の心が魅了されたものを徹底的に追及し、そしてジョン・ガートン博士のように好きなものだからこそ、自分のやり方で、失敗しながらでも納得のいくまでやり続ける。そこには結果の良しあしをあらかじめ意識しないひたむきさがある。こういった人間たちが世界の先端を切り開いてゆくのだろう。一方、学校科目を全て順調にこなし、先生の言う事をコピーしながら良い成績を残してゆく八方美人的人間はおおよそ平凡な生活のなかで、社会の波間に漂いながら生きてゆく。どちらが良い、悪いではないのだが、どちらが楽しいだろうか?
先日息子の参観日があり、初めて授業を見学したおり、余りに先生の言う事に耳を傾けない息子を見ながら焦る気持ちと、自分をたしなめる気持ちに板挟みになり、必死に自分に言い聞かせた事が、たまたま目にした記事にあったので取り上げた。息子よ!好きな、魅力的なものは決して見落とすことなく、見つけたら思いっきり自分のやり方でやれ!!笑
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