最近、様々な機会に、身体表現と教育に関わる話をする講演を依頼されている。その先々で自分は、教育とは「何かを教えようとすること」ではなく、まずは大人たちが自ら進んで行動する事だ、ということをしきりに強調してきた。つまり「何かをやれ」ではなく、自らがそれを行動してその姿を子どもたちが目撃し、その意味をしきりに探そうとするのが本当に意味のある教育だということ。寄席に息子と来て、そのまま親は手放しに大笑いして、おお泣きすればいい。そうすれば、子供はなぜ親が笑い、どこでどうして泣いたのか、その意味をしきりに追い求めるはずだ。そしてそのうちに、人間はこんな風に笑い、こんな風に人の情けを知るんだということを学ぶ。子供に勉強しろというだけではなく、自らが学ぶ楽しさを追い求める。そうすれば子供はなぜ、親が何かを学ぼうとするのかを追い求める。文化の価値も同じだ。おごそかなもの、大切なものを大切にし、敬意をもって接する。これは基本中の基本のはずだ。子供はいつも親の背中を見、大人の後ろ姿を見詰めながら自らの価値基準を作り上げてゆくはずだ。今朝、ネットニュースをみて、本当に怒りがおさまらなかった。いや、それを通り越して悲しかった。この国はどうしてしまったのだろう?以下、ローマカトリックの最高の聖地であるバチカンを泥酔状態で訪れた中川氏だ。朝日ドットコムより引用:
「・・・到着時から中川氏の足取りはフラフラとおぼつかなく、言葉もはっきりしなかったという。案内役の説明を聞かずに歩き回ったほか、入ってはいけないエリアに足を踏み入れたり、触ってはいけない展示品を素手で複数回触ったりした。そのため警備室の警報が少なくとも1回鳴ったという。
バチカン博物館でも特に有名な、「八角形の中庭」の「ラオコーン」像を見学した際には、観光客が近づき過ぎないようにするための高さ約30センチのさくを乗り越えて石像の台座に触るなど、非常識な行動をとったという。・・・ 」
これが私たちの国の前財務・金融相だ。いや様々な大臣を歴任してきた男だ。政治的な信条以前の問題だ。はたして自分は自分の子供をこの国に託せるだろうか?こんな大人たちの背中を見せて育てていいのだろうか?悲しい。とてつもなく悲しい。
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