同時通訳の神様

同時通訳の神様といわれる國弘正雄先生に久々にお会いしてお話させていただいた。高校生のころからの憧れの「雲の上の存在」だった方である。いつもお会いすると話は延々と尽きない!!異文化コミュニケーションの話、通訳の話、そして教育、歴史、政治の話・・・・・
ちなみに場所は六本木、国際文化会館。もと明治の外務大臣、井上馨邸跡地だ。そう、ここは今からちょうど120年前、明治20年4月26日に明治天皇が初めてj歌舞伎を観た、いわゆる天覧歌舞伎が行われた場所なのだ。九代目團十郎、五代目菊五郎らが出演したこの天覧歌舞伎は、歌舞伎、および歌舞伎俳優の社会的地位の向上の大転換要因となり、また、歌舞伎が近代化する大きなきっかけとなった、日本演劇史上特筆される出来事だったという。 もっともこれも明治政府の不平等条約撤回のための欧化政策の一つであり、日本の伝統文化を誇示しようとするアクションであったのだが・・・。
話が横に大きくそれてしまったが、いつも思うのはこの演劇史上の大転換の要因となった場所で、國弘正雄先生という、これまた東西文化の架け橋の代表者にお会いするという、自分にとっては物凄い事なのである。今、自分の英語のショーの最後にも子ども達に語りかける、あのアポロ11号の月面着陸の際の有名な言葉がある。「一人の男にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。」このアポロの月面着陸に実際に立ち会われたのが西山千先生であり、この國弘正雄先生なのだ。(西山千先生は残念ながら今年他界された) 
自分が英語狂いで、とにかくアメリカに憧れていたときに、三木首相のブレーンとして、あるいは
その他の国際会議の舞台にて第一線でその英語力を駆使されて日本の為に活躍されていらっしゃった、まさに「雲の上の人」である。いつもお会いするたびに元気をいただく。永六輔さんにしても國弘正雄先生にしても、やはり一流の存在とは、一緒にいるだけで何かを感じさせる輝きがある。バイブレーションがある。自分もそんな存在にいつかなりたい。

2007-09-16 09:59 | ひとりごと | コメント

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