コロナ休暇の徒然なるままに 映画最終回

最終日第7日目は、これです。
Shakespeare in Love 「恋に落ちたシェイクスピア」です。
人生最悪の時に見た映画です。当時、結婚生活破綻の為、自分の舞台の仕事が完全に行き詰まり、四面楚歌、今後どうしたらよいかまるきり分からず、鬱状態が続いていた時期でした。なぜか無意識のうちに体がセロトニン欲しさか、甘いものを要求し続け、体重は増え続け、夜は寝付けない。時には死ぬことさえも頭をよぎった時代でした。自分の人生まさに五里霧中、、、そんな時、この映画に出会い、改めて自分は舞台が心から好きだという事を再確認させてくれた映画でした。
若いシェイクスピアが恋に落ちる、そしてその情熱により名戯曲が生まれる、、、単純な筋書き、、、その単純な筋書きに複雑に入り乱れるジェンダーのトリックと交錯する沙翁劇の名台詞の数々!!また、登場人物も当時の本物が巧みに織り込まれており、心を擽られる。シェイクスピアのライバル劇作家として登場するクリストファー・マーロウ、名喜劇役者のウィル・ケンプ、ローズ座のプロデューサーのヘンズローや、多くの劇場を所有し、また自らも名優として名を馳せたバーベッジも皆、実在の人物だ。極みはエリザベス女王の登場!!この女王がすべてを解決するという流れに!
ジェンダーのトリックとは、男装した女性、ヴィオラが男性として女性役を演じるという遊びだ。16世紀当時のイギリスの舞台は女人禁制で、代わりに変声期前の少年が女装して舞台に立っていた。(因みに英国で女優が認められるのは、1660年、王政復古でパリに亡命していたチャールス2世が英国へ呼び戻された時からである。)ところが若きシェイクスピアが恋焦がれるヴィオラに対する熱い思いを綴り上げ、台詞に昇華し創作した「ロメオとジュリエット」の上演の当日、ジュリエット役の少年が突然変声期に見舞われ、声が出なくなるのだ。そして急遽、当のヴィオラがジュリエット役に!!その男装した女性演じる女性役に本物の恋心を抱きながら自らのロメオの台詞をヴィオラ本人に舞台上で投げかけるという、、、何とも言えない、どこからどこまでが演技で、どこからが現実なのかの境界線のブレを大いに遊ぶ、いわば演劇の醍醐味を巧妙に遊んでいるのだ。
この映画を何の期待もなく観た後、僕は生き返っていた。マイムの仕事を一時休止し、改めて演劇を学び直しに渡米しようと決断!!その翌日からランニングとヨーガを再開し、鬱から見事抜け出して、40歳過ぎにして大学院演劇科の博士課程に!まさに演劇の魅力が僕を動かした瞬間だったのです。
2020-06-08 02:38 | つれづれなるままに | コメント

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