満員御礼!!

長い一日ではあった。朝8時半よりスタッフは鈴本演芸場へ入り、11時までにできる限りの搬入を済ませる。何しろここは四時半までは定席(年中無休で寄席が入っている)が行われているゆえ、トリの師匠が退出される5時近くまでは何も仕込みができないのだ。そして開場の6時までに全てを準備しなくてはならない(汗)
そんな最中にも、当日チケットを求めて何人ものお客様が鈴本の窓口を訪れてくださった。何とかならないのか、どうしても見たい。そう言って頂いたものの立ち見席までのチケットが既に出てしまった状態ゆえに、お断りしなくてはならない自分が罪深く思えた。他のスタッフも随分沢山のお客様に同じことを頼まれたそうだ。この場をお借りして深くお詫びを申し上げます。そして同時に感謝いたします。わざわざお越しくださり、本当に有難うございました。合掌
搬入後、近くの落語協会事務所2階を借り、そこで最後の通し稽古。そして本番に臨む。約300の席は満員となり開演。舞台からは全体が見渡せるのだが、そのぎっしり詰まった会場の中に、なんと永六輔師匠とTBSラジオの外山 惠理さんのお姿が見えた!!気が妙に異常にひきしまった(苦笑)やはり師匠はいつまでも師匠なのだ。おかげでで出しのしゃべりの部分がかなり自分でもいつものリズムから少々崩れていたのに気がつく(苦笑)
演芸作家の神津友好先生のお姿もみられた。実は何をかくそう、この方には約25年前に自分の舞台をご覧頂いた時に「これ、素人?」と言われた苦い思い出があるのだ。この時から舞台に臨む時にこの方のこのお言葉をいつもかみしめながらプロへの道を歩んできたつもりだ。
あっという間の二時間。あらかじめ予測された客層の二分化(学生層と高年齢層)への配慮が予想通りに受け方を微妙に左右しているのがわかった。後に友人にも指摘されたが、やはり少々ひねった時事ネタは受ける層が限られてしまう。しかし、まあそれでもいいと思うのだが。
実を言うと芭蕉の俳句をやりこんでいる最中、自分に何度も自分にとっての旅とは?と問い続けてきた。そしてやはりそれはより日常的な生活のなかで求められるべきだという結論から、息子との生活の一面を前面に出してみたかった。それにしても5歳の息子を舞台にだすのには、かなりの決断を必要としたのだが、見事に奥の細道の冒頭の暗唱をやってくれた。(多少の危うさはあったものの)大役を果たしてくれた気がする(苦笑) これからじっくりとスタッフと反省してゆく過程で次の段階の企画を練ろうと思う。とにかく沢山のお客様に心より感謝感謝、そして感謝の一日だった。
昨夜の逸話:舞台を終えた息子は楽屋にて母親に「あのね、耳が聞こえなくなるような拍手もらったの・・・」という。母親は「そう、よかったわね」と受け答えたそうだが、すると息子が「えっ?何?今なんて言ったの?」と聞き返したそうだ。母親がもう一度「そう、よかったね。がんばったのね!!」と息子の耳元で繰り返し囁いた。すると、息子いわく「あのね、耳が聞こえなくなるほどの拍手だったから、耳が今聞こえないの・・・」おい、ネタかい?!これって(爆)

2011-06-29 05:34 | ひとりごと | コメント(8)

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