なぜ失敗を繰り返すのか?「便利さのゆえに危なさを忘れる!」「知識としては(危険を)知っていながら、自分の生涯にそれは絶対に起こらない・・・・そう信じ込む。だから考えないようにする」・・・重みのある証言だと思う。三陸海岸は過去に何度も同じような津波に襲われているという。そしてそのたびに大勢の人々が亡くなり、生き残った祖先は「これより下に家を建てるな!」と様々な碑にその悲痛な思いを警告にして刻み込んでいた。(下記動画参照)
だが、海岸を離れて遠く高台に家を持つと、漁業にいそしむ人々は朝晩その距離を往復する苦労を感じ始める。やがて徐々に荷物を置いていくようになり、その荷物を保管する小屋ができる。やがて小屋に宿泊するようにもなるだろう。そして便利さの前に危なさを忘れ、やがてその海岸沿いに住み始める。時間がたつと危険は知識のみになり、まさか自分には降りかからないと思うようになり、目をそむけ始める。・・・この経過こそ今まで日本があらゆる側面でたどってきた道ではなかったか。祖先の言い伝え、それはやがて形骸化し、忘れ去られる。また津波で大量の人々が亡くなった。
なぜ失敗を繰り返すのか?第二次大戦の日本のもっともお粗末な敗因の一つは論理的な戦術の欠如であるといわれている。緻密な敵国分析を行い、長期に渡る展望を描き、戦術を練ったアメリカに対して、日本は大和魂と神風神話にひたすらすがりながら、目の前の現状に対処するのみの戦い方をしたという。まさに今、原発事故に対してのスタンスは全く同じだと言えないだろうか。現状報告のみに終始する政府。はたして今後の見通しはどうなのだろう。放射性物質の更なる拡散の防止策や、今後の被害予測、見通しに関しては一切触れずに、「今のところ人体に影響はない、安全だ」を繰り返す。これまた大本営発表が依然として続く。また稚拙な戦術の一つは兵站であると言われる。ロジスティックス、つまり前線を援護する為の輸送、食料調達その他の後方支援である。例えば福島の自宅退避の勧告をする前に、それらの圏内の人々に対するロジスティックスを政府は果たして考慮し、プランしただろうか?結果としてこれらの人々はなすすべがなく物資が届かずに困窮している。今回はその人々になんと「自主的退去も選択肢」といういかにも官僚的な言葉で危険を「匂わせる」。そしてそこにもそれらの人々に対するロジスティックスはない。かつて日本軍がマリアナ諸島を始めとした最前線に兵士を送る際、食料などは数日のみの調達であとは自主的に現地調達が原則だったそうだ。これも全く同じ事が現状で起こっている。まったく戦後何も変わっていない。 そしてより視点を広げて、もしも最悪の事態になった時の首都圏の人々の安全確保のロジスティックスはあるのだろうか?本当に恐ろしい場当たり的対処が続く。
なぜ失敗を繰り返すのか?広島と長崎でウラン爆弾(リトルボーイ)とプルトニウム爆弾(ファットボーイ)による被害を受けた日本の祖先が刻み込んだ言葉がある。「核は人類の脅威だ」。しかし、電力がたりない、そして電力さえあれば便利で楽しいし都合がよい。やがてその便利さの前に危なさを忘れてゆく。いや忘れようと目をそむけて思考停止になる。今福島ではそのウランとプルトニウムによる汚染がどんどん拡散している。これもいつか来た道だ。
なぜ失敗を繰り返すのか?管首相が唯一誇れる!?(これも疑問だが)実績が薬害エイズ問題。この問題は官僚の怠慢と利権が起こす悲劇を散々国民に見せつけたはずだ。そしてそれを進んで?!解決したのが等の首相ではなかったのか?この利権と官僚の怠慢を後から言うのは誰でもできる。自らが何度もその実績を自負し、選挙のたびに主張するならば、その経験を生かしてなぜ原発問題を見据えられなかったのか?もし有事の際にこんなやり方(水をかけるだけ?)しかなかったのなら、なぜ原子力発電は安全です!!なのか?まったく有事の際の対処法がない!!驚くばかりだ。
もし、日本再生があるなら、これらを是非総括し、糾弾し、反省し、改革しなくてはいけない。大前研一氏は東北を復興をさせるな!と叫んでいる。氏の発言は津波対策としての警告であり、復興よりも新たなシステムの構築という意味だが、これは実は日本全体の問題ではないだろうか。まさに今後日本が立ちあがるならば復興はだめだ。こんな利権と隠ぺいで固められた体制を復興させてはいけないのではないだろか。
http://www.youtube.com/watch?v=qkLqVr_Qk_w&feature=youtu.be
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