知恵袋

三月だ!!一カ月の鈴本演芸場出演が遂に昨日終わった。やはり毎日寄席に出ているという事は非常に勉強になる。同じネタでも見せ方を実験できるのが寄席の素敵な所。お客様の層によっても反応は全く違う。それに前後の噺家さんのネタによっても。つまりこれが寄席の凄さであり怖さでもあるのでしょうね。さてさて、今月は鈴本中席の夜出演になります。ところで昨日その千秋楽の楽屋でも話題になっていたのが今回の入試中の携帯電話による不正行為事件だった。
やはり出た、というか今更という感じなのがこのインターネット掲示板における入試中の問題漏洩事件。ちなみに一昨日の事件報道直後大学側から講師陣達に対し、この件については絶対に個々にマスコミ等の接触に対応しない事という指導がメールで届いている。(こういう対応だけは素早かった!苦笑)・・・
どこの大学担当者も驚きを隠しきれないようだ。しかし、言わせてもらえば「何をいまさら」という感じがするのだ。こんな事は十分予知できる事であり、(もちろん決して許されるべき事ではないが)事前の策が全くどの大学も取られていなかった事自体に大学側の思考停止や怠慢が感じられるのは私だけだろうか。例えば現在では大学の授業中に多くの学生は無断で携帯電話に授業を録音する。が、しかし、この状況を大学側は把握していながら何の手もうっていないのが現状だ。講義室や廊下の壁に「授業の携帯電話などによる無断録音を禁じます」とだけ書いて貼ってあるのみ。まったく対抗策は取られていない。ましてや入試におけるそれは今まで何の策も取られてこなかった。(せいぜい携帯を一時的に取り上げる事やしまわせる事くらいだろう) つまりやろうと思えば(不正も対策も双方に)簡単にできる事だったのだ。
もっとも、考えてみればヤフーのインターネット掲示板に投稿すること自体ゲーム感覚の愉快犯の臭いがしてならない。公開の場に投稿すれば必ずバレる事は自明ではないだろうか。もっと言えばこんなに簡単にできる携帯による不正がもしも今まで個人間のメールにより行われていたとすれば(そして必ず何件かは行った人間はいると思う)今までバレずにまんまとやっていた事になるのではないだろうか。今朝のいくつかの朝刊などはそのプロセスをたどって複数の人間による共同作業と推測しているし、自分のネットに詳しい友人もまた同じ推測をしている。
また一方で、これは見方を変えれば既存のアナクロ(時代錯誤)的な教育制度自体に対する挑戦状のようにも思えてならない。従来の教育は年上の学問的知識が豊富な教師たちが一方的に知識を伝達し、それを学生に詰め込ませ、問題として解答用紙に吐き出させる。このような形骸化した旧式制度への挑戦のように思えてならない。現代における教育とは知識の伝達も大切であるが、それ以上にその知識(たとえば最新のデジタル機器)をどのように現状に適用させて創造的な作業ができるかが問われる時代。それを思う時、その担い手としては確実に発想が柔軟な若者に分があるような気がする。そしてマンネリ化した旧式の制度の中で年功序列に胡坐をかいている大人たちはこういった世の中の移りゆく情報、あるいは発想の先取りができずにいる。この図式が今回の入試問題で浮き彫りになっているような気がする。もしもこのような知識応用の知恵がある人材が入試を仕切っていたのならこのくらいの事は容易に予測し、対処できていたはず。いや、その知識を持っていなくとも、その道の先駆的若者の知識を借りてもできるはずである。アメリカなどは国防省などに雇われるプログラマーの多くがハッカー経験者だと聞いた事がある。つまり(首謀者の意識、無意識に関わらず)こういったアウトソーシングもできずにいる旧態依然としたマンネリ的権威主義的教育界に対する挑戦のような気がしてならない。

2011-03-01 04:35 | つれづれなるままに | コメント(3)

知恵袋 への3件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。