対機説法について

お釈迦様は法を説く場合、その相手の理解の力量や現在置かれたその人の状況を鑑みてそれに応じた方法論と内容で法を説かれたという。これを対機説法とよぶのらしいが、最近アメリカの友人とスカイプで話し大笑いながら、なるほどね~と納得したことがあった。
以前にも触れたのだが5月に息子を連れてタイの友人の結婚式に出席を予定しているのだが、御存じのように現在のタイは政情が著しく不安定であり、タクシン派とアピシット首相派の間で小競り合いが続き、日本人カメラマンが巻き添えにあった。今後まったくどうなるか分からない不安定な国に4歳の息子を連れてゆくのはあまりに無謀だという事で、現在旅のキャンセルを前提にキャンセル期限ギリギリまで政情を見ることにしている。ただし、その旨を息子にも説明しなくてはならない。一度は噛み砕いて「タイの偉い人たちがお互いに喧嘩していて、それに巻き込まれると死んでしまうかもしれないんだよ~!!」と試してみたのだ。ところが随分前から(タイの何ぞやを全く知らずに)心待ちに楽しみにしていたものだから息子も引かない。「だって死んでも皆また天国であえるんでしょ?」4歳半ともなると、なかなか素直に引かなくなった。ん~、頼もしい。そこでアメリカの友人(といっても子育てを終えた60代の女性)の提案。「彼の一番身近で困ることはなんだか考えてみたら?」その瞬間自分の脳裏に閃いた名言!!「あのね、タイの人たちが喧嘩していて、美味しい食べ物が全然なくなっちゃって、まったくおやつもなにも無いんだって。だからタイへいっても何も食べられないんだよ~~~~!!」 おおおおおお・・・ これは効くぞ~~~~(爆)何しろ先日もおばあちゃんから帰り際にお小遣いを手に握らされた瞬間に私に言った言葉…「パパ、これで沢山美味しいもの食べられるね」(爆) 彼にしてみたら「死」などという抽象概念よりも、美味しいものが食べられないといったより現実味のある目の前の問題の方がより重たくのしかかってくるだろ~な~(笑) まさに対機説法なのだ!
写真はインド、サルナートにあるブッダの初転法輪像。私の一番すきなお釈迦様の像です。

2010-04-15 09:56 | ひとりごと | コメント(1)

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