入門書の素晴らしさ!

旅から帰り、大学の授業と中間試験作成に追われる日々、その合間に何とか本を読んでいる。先日レヴィ・ストロースが亡くなったのをきっかけに今一度構造主義について過去に読み漁った入門書に再度目を通しながら、つくづくこの『すぐれた入門書』群の素晴らしい導きのテクニックに改めて感心している。人に新しい知識やノウハウを伝える際、専門家はややもすると初心者には理解しづらい箇所、あやふやな点を見落としてしまいがちだ。専門家であるがゆえに興味を引く事柄に固執してしまう傾向もある。しかし、まったく基礎知識のない一般の人々に自分の専門分野を面白可笑しく紹介するのは、専門分野に優れているという事とは別の技術、能力のように思われる。まだ具体的にそれぞれの著者の技を自分なりに体系化できる域まで読み込んではいないのだが、本当に入門書は何の分野にしても刺激的だ。まったく興味のない人々までをも引き込むようなエンターテイメントとしての要素を加味しながらグイグイ読者を引き込んでくれる、このプロセスがまさに演劇教育の真髄を提示してくれているようだ。楽しくなきゃ学べない・・・これはいつの時代でも真実だと思う。そしてこの考え方が自分の舞台にも反映されているようにいつも心がけているつもりだ。
ちなみに構造主義に少しでも興味のある方の為にも是非お薦めの入門書は:
『はじめての構造主義』橋爪第三郎(講談社現代新書)、『寝ながら学べる構造主義』内田樹(文春新書、『図解雑学:構造主義』小野功生監修(ナツメ社)、そして『現代思想のパフォーマンス』難波江和英、内田樹(光文社新書)などです。

2009-11-15 08:47 | ひとりごと | コメント

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