鈴本千秋楽

鈴本演芸場の千秋楽。大雨の中、上野の演芸場に入り、舞台を覗くと最前列に小さな子供たちが4~5人座っていた。この小さな訪問者たちが意外と師匠たちの話のネタを左右しているような気がした。小さいながらも大きな存在だったようだ。
久しぶりに高座のあと客席にてトリの馬の助師匠まで勉強させていただいたのだが、本当に白酒さんはうまかった。噺に切れがあってリズム感があり聞いていて本当にあっぱれと・・・ 「つる」という噺も話す人間によってこんなにも印象が違うものかとつくづく感じた。となりで聴いていた弟子のカンジヤマCも頷いていた。上下の切り方から、間のとりかた、そして全身からあふれ出てくる自信のようなエネルギー。これが一体具体的にどんな要素で何の違いなのか分析できる学者がでてくるのかが楽しみでもある。絶対にこのエネルギー(としか今は言いようのない)目に見えない力の根源の要素が観客の感性にうったえかけるのだろうが、はたしてその正体は、そのメカニズムは??面白い研究のひとつかも。
昨日のブログで触れるの忘れていたが、久しぶりにさん喬師匠とお会いした。今、さん喬師匠は毎夏アメリカのミドルベリー大学に行かれて日本語を学ぶアメリカ人の学生さんたちに小噺を教えられているそうだ。単に無味乾燥な例文を繰り返すのではなく、内容をきちっと伝えつつ、なおかつその噺の目的を達成しようとすることは言語習得上の動機づけになり、本当に効果があることだ。さん喬師匠の件は私のウィスコンシン時代の友人を通じて知ったことなのだが、今彼女が在籍するインディアナ州のパーデュー大学の日本語言語学の教授が落語の話芸の効能に目をつけられて、さん喬師匠にお願いして毎年この企画をつづけているらしい。自分の分野ともかぶるのでぜひ今度実際の現場を訪れてみたいと思っている。
さてさて今日はこれから横浜のにぎわい座です。

2009-08-11 06:31 | ひとりごと | コメント

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