忙しさの合間をぬって一時をかなり前から予約しておいたサイモンとガーファンクルのコンサートへ。友人と共に東京ドームへ赴いた。やはりコンサートの始まりは60年代からのスライドプロジェクションとともに流れる「アメリカ」であった。もうすでにここで脳内はフラッシュバック状態で涙腺が緩んでくる(苦笑)
コンサートを鑑賞しながら一体舞台体験とは、音楽体験とは何だろうかと思いを巡らしていた。自分の場合、13歳のころからS&Gの曲とともに生きてきた気がする。思春期の思いを曲の詩に重ね、アメリカへの憧れをその曲にゆだね、そして実際のアメリカ横断、大学生活をもS&Gの歌をBGMに過ごしてきた。グレーハウンドバスに乗ると脳内に「アメリカ」が流れ、そして地下鉄の落書きをみると「サウンドオブサイレンス」を、そして旅公演の旅先では常に「早く家に帰りたい」が脳内で繰り返し流れていた。そして自分にももしかしたらいつの日かミセスロビンソンのような・・・・苦笑
もちろんアメリカの友人たちの間でも自分はS&G狂として知られ、今日もフェースブック(アメリカ版ミクシー)にコンサートを前にアメリカの友よりさんざんエールを送られた。
人間は個人体験を様々な音楽にプロジェクト(投影)して脳の恐らく扁桃核あたりに情動体験として蓄積して行くのだろう。一つ一つの歌ごとにその曲を重ねて聴いた場面やら体験が思い浮かんできては消えてゆく。まさに自分の歴史の追体験のような二時間だった。これは個人個人がそれぞれに味わっていることなのだろう。つまりS&Gはそのsignifier (記号)としてそれぞれの体験を誘発する役割を担っているもので、signified 誘発されたものはまったく個人的にそれぞれが違ったものなのだ。もっとも人の言葉が意味する場合も例外ではなく、共通項こそあれど、それぞれにその言葉に対して抱く印象、誘発される体験はことごとく多様なはずだ。
とにかく、コンサートの始まりに聞いた「旧友」の歌詞に、”Can you imagine us years from today, sharing a park bench quietly? How terribly strange to be seventy…” 何十年後に僕たちが公演のベンチで二人してじっと座っているって想像できるかい? 70になっているなんて本当にどんなもんなんだろうね」というような箇所があるが、実際彼らは60代後半で70は目の前のはずなのだ!!そうなんだよね。時って来るときはくるんだよ、誰にでも。ただそれが今の積み重ねだってことだ。だからその時、一時は仲たがいしていた二人が今は手を結んだり肩をだきあって一緒に声援にこたえているのをみるのが非常にうれしかった。ありがとう、ポールにアーサー!!これで来週も頑張れそう!!
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