「俺は現役のプレーヤーだからね!」

今日は時間を無理やり作って東中野に映画を見に行った。ドキュメンタリー映画「小三治」。柳家小三治師匠の生きざまを描いた映画だ。師匠とは永六輔さんを介して昔旅によく連れて行っていただいた。映画の中にちりばめられた師匠のひとこと一言が自分の頭に鉄拳のごとく振り下ろされた。その一つ一つが実践に裏付けられた重い重い意味が込められていた。そして何と言っても圧巻は何度も繰り返しておっしゃられていた「俺は現役のプレーヤーだからね!」という常に自らを追い詰め続ける芸人の姿だった。この言葉が自分には「お前は一体現役なのかい?教える資格あるのかい?」と響いてくる。確かに私のような若造に演技を教えるなどは大それたことだ。師匠のあの変わり身の早さと正確さは演技の真髄だ。理屈をこねる奴にろくな演技ができないのが多いのかもしれない。それでもやはり自分は大学で何が本物で何が偽物なのかを教えていかねばならないのかもしれない。
この映画、鰍沢という噺で終わるのだが、この噺を得意とする入船亭扇橋師匠にもずいぶんとお伴させていただき、この鰍沢は何度も聞いていたので、その味の違いに圧倒された。両方とも凄いのだ、それぞれの味で!!オリジナリティーを出すことの難しさ、これは映画の中で志の輔師匠もおっしゃられていたが、本当に芸人ってすごいと思った。テレビで見る芸人(本来ならば芸人とはいわないのだが)しか知らない若者がかわいそうだ。だからこそ、こういう本物の芸があるということをこれからの授業でどんどん若者に教えていかねばならないのだと思った。
帰りに今日は降誕会ということを思い出し、近くの寺の誕生仏に甘茶をかけてお参りしてきた。明日からはマイムの理論と歴史の授業が始まる。

2009-04-08 08:36 | つれづれなるままに | コメント(2)

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