潜在的な偏見が爆発するとき。

オバマとマケインの三回目の大統領ディベートをUチューブで一通り見た。なんという余裕の差だろうか。マケインの目の落ち着きのないマバタキに対して、オバマのゆっくりしたマバタキが異様なまでの優勢状態を示していた。やはり目は「脳の出店」と言われるだけあって、話者の精神状態を鮮明に表わしている。それにしてもオバマの弁論術は素晴らしい。ハーバード大学時代からそのカリスマ性はすでにスピーチに出ていたらしいが、本当に理路整然としていて態度からレトリックからしてマケインの劣勢を際立たせていた。
マケインの戦法はひたすらオバマを中傷非難することに徹していた。それもオバマが何度も否定している上にさらに同じ論法を繰り返すのみ。ウィリアム・エアーズというイリノイ大学教授(元テロリスト指導者)とオバマがたまたま過去に同じ会議に同席したという事実を針小棒大にふれ回り、挙句の果てに「オバマはテロリストの仲間だ」「Blind Ambition, Bad Judgment」といったキャンペーンをテレビで繰り返している。あまりに幼稚な戦法の裏にマケインの大統領選挙の勝算に対する不安がしっかり滲み溢れている。実際の大統領直接討論(ディベート)は初めての留学時代、レーガンの時代から毎回見ているが、今回が一番醜いような気がした。アメリカはそんなネガティブキャンペーン(相手の上げ足とり)をしている余裕なんてないはずだ!!
それにもましてこわいのがアメリカ人(特に白人)の中にうごめく潜在的な偏見だ。普段は多文化主義による結束を謳ってはいるが、いざ白人以外の少数派が目立つ位置に立つとくすぶってくるものが白人至上主義だ。MSNBCニュースをみていたが、「オバマはテロリストだ!」「オバマはアラブだ!」といった黒人に対する今まで抑圧された偏見がこういったチャンスを突破口として噴出してくる。大声でテロリストと叫びながらデモをする白人たちが後を絶たない。自分のネガティブキャンペーンが独り歩きしてしまった時、座談会にてマケインがかえってオバマを擁護しなくてはならない場面が何度も繰り返し放映された。そしてそんな場面でマケインが「オバマは立派な家庭的人間だ」というコメントにも共和党支持の聴衆からブーイングが起こる。・・・これが一国の代表をきめるためのキャンペーンなのか?本当に恥ずかしいし、悲しくなる。たしかに今アメリカはその本当の意味での自由な国としてその資質が試されているのかもしれない。
日本もアメリカのように直接選挙を!とは思うのだが、まずは一人一人のこういった偏見をなくさねばこのシステムは恐ろしい方向に走ることを知らされたような気がした. もっとも日本の政治家たちの言論、特に多文化主義に対する無知、偏見はやはり最悪だけどね。
うううう、そんなこんなで時間をかけてしまったが、明日は都内の小学校の芸術鑑賞会!!六時半出発だ!!早く寝なくては…good night moon! and good night Bush administration forever!!
[写真はオサマ(ビンラディン)とオバマを重ねたポスター]

2008-10-16 10:20 | ひとりごと | コメント

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