ウィスコンシン州、マディソンにて

8日夜にマディソンに到着後、さまざまな旧友、恩師にご招待を受け、挨拶周りをしているうちに日にちがどんどん過ぎていってしまった。しかし、母校ウィスコンシン大学は、やはり美しいキャンパスだ。二つの大きな湖、メンドータ湖とモノナ湖に挟まれてくぼんだ地峡(isthmus=ちょうど佐渡島の中央のくびれのような場所)に位置するのがマディソン市なのだが、その中央のメンドータ湖に面するマンモス校がこの大学だ。テラスと呼ばれるいわゆる学食の外庭はこのメンドータ湖に臨む憩いの場なのだが、これが実に美しい。夏場には何十艘というヨットがその帆を風になびかせている。青い空を満面に映し出す湖と白い帆、そしてまわりの緑の森のオーケストレーションが時の過ぎ去るのを忘れるくらい人の心をじっとさせてくれる。しかし、実はこれも4−9月一杯くらいの間だけ。あとは雪に覆われて冷たい冷たい日々が続く。しかし、だからこそこの限られた夏から秋の期間、この湖に面したテラスは多くの人々を誘う。ちなみに屋外でビールを飲める学食としては全米でもその名をはせているらしい。自分が8年前に初めて訪れたときも、この美しい風景にうっとり惚れ込んでしまった。思えば最後まで悩んで迷ったニューヨーク大学博士課程との比較の中で、大きく自分の心を誘ってくれたのがこのテラスだったのかもしれない。今少々ばて気味だった身体と心をこのテラスがゆっくりと癒してくれそうな気がする。人生ボーっとする時間が必要だ。緊張の後には弛緩する必要がある。張り詰めた琴をたとえに仏陀もそう諭していたような気がする。そういえば八年前このテラスで最初に出会って話し込んだのがチベットの尼僧さんたちだった。日本は御盆。遠く離れた地から先祖に感謝をこめて目をつぶろう。 (写真はウィスコンシン大学のテラス)

2008-08-14 07:59 | ひとりごと | コメント(3)

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