神輿と父と

昨日は実家の松戸に帰り、一人になった母親と過ごす。この週末はちょうど町の祭りにあたり、神輿が町内を練り歩く予定だった。そこで町内の皆さんが亡き父を気遣ってくださり、神輿の通路に当たる実家前の道路を避けるべきかとのお気遣いを頂いた。しかし、生前祭りが大好きで、その日になると必ず浴衣姿で神酒所に繰り出しては大好きなお酒を楽しんでいた父であったゆえ、母も是非神輿を通常通り通して欲しいとお願いした。
六時半すぎに母が父の写真を抱いて家の前に出ると、大勢の町内の老若男女に担がれた神輿がお囃子と熱気にあふれた掛け声とで近づいて来た。家の正面にさしかかると町内会の人々に担がれた神輿は父への挨拶がわりに何度も回転しながら皆さんが特別の大きなかけ声を張り上げてくださったときは目頭が熱くなった。そうだ、これがこの街で愛された父親の存在だったのだ。母親も写真の父親に必死に語りかけていた。
町の人々のつながり、普段なんでもないように思えるこういった絆が昨日は本当に熱く熱く、そして愛おしく思えた。人と人との繋がり、何気ない優しさ、思いやり、そして愛情。いいな、本当に。心から感謝だった。
「しかし、幸せだね。こんな特別な送り方してもらえる人はそうはいないぜ。そうだろ?父さん?笑」

2011-10-16 11:41 | つれづれなるままに | コメント(4)

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