金沢金沢金沢

金沢での仕事。久々の大ホール公演でした。金沢歌劇座ホールはキャパ1919席の大ホールであり県下最大だという。某高校の芸術鑑賞会。ただし観客は一階のみで約900人弱。これを二人の出演者で一時間半休憩なし!まさにマイム芸術がもつマジックでしょう!!
意外と一般に理解されないのがこのホール公演の際のサイトライン。つまりは視覚的条件なのです。前に座った人々の頭によってさえぎられる視覚を考えると演者の上半身、あるいは頭部しか見れない可能性がある舞台がたまにあります。ここのホールは舞台が低く設置されており、しかも観客席が非常になだらかに傾斜しているので、後方の視覚的条件はかなり悪くなっていました。そこで平台を思い切って舞台上広範囲に並べ、高さを保ち、舞台袖で間口を狭く設定しました。時間はかかりましたが、幸いにして会館の方々が非常に協力的だったこともあり、スムーズに準備ができました。こういった公演前の地道な準備の段階で本番の反応は非常に違ってきます。
結果、とても良い公演が出来ました。素敵な生徒さん達の笑い顔。何かを感じ取っていただけたらと心より願っております。舞台は日常に非日常を感じさせて、改めて生きる事、毎日生活することの意義をそれぞれに問いかけてくれます。そしてそれを公演後じっくり感じて頂きたいと思っております。それが若者の心の栄養になってくれればと切に願っております。坪内逍遥も演劇による若者の「善導」が可能だと主張しました。ただしその善導とは「どうしろとか、何をするな」という押し付け的な指導ではなく、完全にそれぞれの自発的な目覚めに任されるべきものだと信じます。私自身がマイムとの出会いがそうであったように、彼らの心の中に眠る、偉大な芸術的な目覚めの「種」にほんのちょっぴり水(栄養分)を与えられたらと常日頃願っています。本当に素敵なみなさんでした。感謝、感謝、そして感謝

2011-06-10 05:35 | つれづれなるままに | コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。