シェイクスピアの驚異の成功物語

久しぶりに、本当に久しぶりに自分の読みたい本が読める幸せ!!やっと夏休みという気分になりつつある。寄席の行き帰りの中央線は至福の時。今まで読みたかった本を読みあさっている。といっても今回はかなり長い分厚いものに挑戦しているので少々時間がかかるし、それにとても重いのだ(580ページ)! 題して『シェイクスピアの驚異の成功物語』 英語題は「Will in the World」。コネもなく、学歴もない片田舎からでてきた一青年がいかにして世界のシェークスピアになり得たのかを分析し、面白く綴ったスーティーブン・グリーンブラット(ハーバード大学教授)の本である。 
とにかくシェークスピアについてはその生涯のほとんどは謎に包まれているのが現状だ。しかし、現実に学校には決して行ってないし(父親の工場が彼が10代初めに倒産して中退している)、それがグローブ座の座付作家として、またはストックホールダーとしてその繁栄の原動力になり、悠々自適な生活をおくり、(他の劇作家はみな飢えていた時に)50代最初には故郷のストラットフォードアポンエイボンに超豪邸を購入し隠居ているのだ。いったいこれはどうして?と誰もがいままでにも謎に思ってきたことだが・・・
一つ一つの事象、歴史的な検証を重ね続けて彼が幼少の頃目にしていたはずの光景から、社会の現象などを考慮しつつ著者はシェークスピアの実像にせまる。ものすごい演劇史の知識に圧倒されると同時に、なるほどね!!と納得のいく推測に満ち溢れている。訳もまた優れている。さすが東大の河合祥一郎さん。
え?なぜ原文で読まないのかって?原文の本の方がもっと大きくて重い!!爆(現在英語のペーパーバックをとりよせ中)

2009-08-08 09:22 | ひとりごと | コメント

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