5月だ~~

ゴールデンウィークが後半に入り、五月は都内の高等学校の芸術鑑賞会で始まった。講堂にひしめく若者たちの前で久々にいつもと違うメンバー構成でやるといろいろと新鮮さがあって面白い。それぞれのメンバーの間に微妙なバランスの差がでて、それがまた刺激になるのだろう。学生さん達の反応は本当に生き甲斐だ。終演後もみな素敵な顔をして話しかけてくれた。こんな毎日がいつまで続けられるのか。体力の限界との勝負だとつくづく思う。自分はほぼ出ずっぱりの1時間半。最近はかなり身体にこたえてきた(汗・苦笑)
終演後演劇部の生徒さん達と話したが、インプロの本(即興ゲームによるコミュニケーションの探究と心身の解放)がやはりどこの演劇部にいっても流行っているらしく、ここの学校でも使用していたと聞く。これには少々の危険がはらむ。インプロゲームを真に理解し、指導出来る人間が日本には少ないからだ。地方をまわってインプロの指導者を名乗る人々にあうと、そのほとんどが数週間のワークショップをうけたあと、自らを指導者として名乗りをあげている。つまりインプロのゲームのルールがわかれば、それで指導ができてしまうのも怖いのだが、本人が本当の目的、方法、詳細の対処を知らずにただただルールに基づいてインプロができるだけで指導者であると思いこんでいるのだ。
日本のような集団迎合が得意なグループを扱う場合にはこれはこれで何も問題が起こらず済んでしまうことが多い(だからこそ余計に危険なのだ!)、しかし、そこに一人でも異文化、或いは迎合できない人間が入った時の対処の仕方、そしてそれが他のメンバーに及ぼす効果などなど、これらを実際に体得できるのには少なくとも実地で3年はかかるのではないか。そして常時試行錯誤を再確認できる会合のようなものが必要だ。アメリカではこのようなリーダーたちの会合が頻繁に行われ、そして互いの試行錯誤を吟味しあう。
とにかくマイムが演劇の基礎であり、そのインプロの原点のようなものであるという認識がまだまだ日本には根付いていないとつくづくおもった。今後この方面でも様々な普及活動が必要なのかもしれない。

2009-05-02 09:39 | 公演 | コメント

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