国立演芸場にて

今日は演芸場につくなり、楽屋のメッセージ版がすぐに眼に入った。一瞬ドキッとした。「目の不自由なお客様の団体」!!ん~マイム芸人にとっての試練だ。
演芸場の楽屋にはいろいろなメッセージが書いてある。時にお客様の団体名、そして其のお客様たちの様々な情報。つまり落語や演芸にはさまざまなネタなり、芸のもって行き方がある。それが其の日のお客様にいちばん適切なネタであったり、もって行き方だったりを選べるように、そして何よりも失礼に当たらないようにするためのものである。今日は其の団体の他にも都内の中学校の先生、生徒さんたち100人以上がいらした。
ん~、いくら「おしゃべりなパントマイム」といえども目の不自由な団体さんのお客様にはかなり戸惑った。試行錯誤の考察の末、やはり自然にいつもどおりやるしかないとハラを決め、なるべくやったネタに関してのしゃべりのネタに丁寧な解説をごくごく自然にそえることしかないと覚悟をきめた。ただ運がよかったのは他に100名以上の中学校の鑑賞会のメンバーがいたことだった。いや~指揮者ネタから中学生達が大笑いしたり驚いたりどよめいてくれたので会場の空気がパッと明るくなり、そして其の団体の皆さんもとても素敵な朗らかな顔をされてそのどよめきを楽しんでくださっているようだった。そう、たとえ見えなくともこのお客様のまわりに感じられるこの空気をつくることが自分の使命なのだと途中でおくればせながら気づかされた。いや、教えていただいたのだ。目先の笑いや「受け」についついとらわれていた自分に気がついた。
寄席は本当に修行の場だ。
さて、明日は早朝からNHKにて国際放送「日本語クイックレッスン」の収録だ。パントマイムのコーナーで英語で挨拶しながらマイムで日本語を見せるという試みだ。その後永六輔さんのご実家の元浅草の最尊寺にての寄席、「永住亭」に六時半より出演する。

2008-03-04 10:40 | ひとりごと | コメント

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