朝日新聞 1995年8月7日 芸能欄より

寡黙な芸だが、二人になると表現力は三倍、四倍に膨れる。激しい「動」の中に宿る一瞬の「静」を身体と想像力で象徴的に体現してゆく。信じがたいほど多弁である。公演が決まると二人は、勝手に演技を考える。それぞれが突き詰めたものを最後にみせっこする。どちらの流れがいいか、議論が成立し、公演の演技が決まる。七年前、修行先の米国から帰国したが、マイムをはぐくむ土壌は、あまりにも貧しく、開場探しや客集めからスタートだった。(中略)落語家に混じり、寄席にも出た。先代雷門助六の「操り人形」とあい、早速マイムに取り入れた。

今、俳句のマイム化に取り組んでいる。和と洋の融合だ。