私の手が!!

なんだか変なタイトルですが。実は9月18日(水)放送予定、NHK「ためしてガッテン」の特集「あぁ突然!金属アレルギー 体質改善の謎一挙解明(仮)」にて、「謎の手」なるものが出演いたします。実はこの手、私、カンジヤママイムの手でありまして、志の輔師匠と手だけで「絡ませて」いただきました(笑)NHKから電話あり、「あなたの手が欲しい」って!!・・・何はともあれ、内容も面白いので乞うご期待!NHKのこちらのサイトでちょっとだけ予告編みられます。http://www9.nhk.or.jp/gatten/schedule/

さてさて、お笑い教師同盟による、「超!エンタメ教育評論」の私の第四回目の原稿が昨日出ましたので、ここでも紹介させていただきます。是非他の記事もお読みになれるように、メルマガにご登録くださいますようお願いいたします。http://www.mag2.com/m/0001598880.html

 

メールマガジン「超!エンタメ教育評論」
第41号 2013年9月15日発行

 マイム的エンターテイメント教育入門 第5回

           パントマイム役者 カンジヤマ・マイム
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 前回は、育った環境により、その世界観が非常に限定されると言
う事をお話しました。体験も少ない子供や青少年が、未知の世界に
触れ新しい事を学ぶ際には、面白おかしくイメージを与えてやる事
が効果的である事を私自身の例で考え、そしてそれを可能にするエ
ピソードや方法論の一部をご紹介いたしました。そこで今回は、前
回触れることの出来なかった、五感の体験を盛り込んだアクティビ
ティーという方法論についてお話ししてみたいと思います。

 アメリカにて教育演劇を学んでいた時、よく米国の高校や中学、
小学校で身体的なアクティビティーによる「イメージの学び」を見
学した事があります。例えば免疫に関しての授業。私たちは日本の
従来の教育制度の中で、このメカニズムを、ほとんど難関な細胞な
どの名前(例えば好中球、T細胞、などなど)を羅列され、それら
を単に暗記することを強いられていたような気がします。ところが、
私が見学した授業では、生徒たちがそれぞれそれらのメカニズムの
要素になりきって、それぞれの役割を演じて動きまわっていました。
「異物君」が体内に侵入すると、それを白血球組の「好中球君」や、
あるいは、その後「マクロファージ君」がとりかこみ、一生懸命に
その異物君の持っていた秘密情報の紙を部分ごとに分けて「リンパ
球君」に送って、それに対抗する「抗体君」を作ってもらうのです。
こうして、実際にその免疫システムで起きていることを生徒たちは
役割を演じながらビジュアルに、いやそれ以上の体感もって、しか
もそれぞれの難解な細胞などの役割や名前を友達の名前や行為と関
連付けて覚えてゆくのです。「そうか、ケン君のやっていたマクロ
ファージが異物のアンナちゃんを飲み込んで…」云々と・・・。こ
れは効果がありますよね。衣装や仮面を本物のそれらしきイメージ
にしたらより一層効果があるでしょうね。

 また、歴史の授業に於いて、アメリカの南北戦争を題材にしたと
きに、その先生はまず生徒たちを南軍と北軍に分け、マシュマロフ
ァイト(つまりマシュマロの投げ合い合戦。教室では新聞紙のボー
ルであることが多いです。)をやらせ、楽しませます。そして あ
る程度子どもらが興奮して楽しんだら、グループごとにそれぞれの
言い分を話し合いさせるのです。北軍は例えば、なぜ奴隷制度が悪
いのか、あるいはどうやってそれを相手にわからせればよいのか、
などなど。南部グループはその逆に、なぜ奴隷制度が必要なのか。
(勿論、この過程で少々先生はファシリテーションの合間に必要な
知識の伝達もします)。するとしばらくして教師は今までのそれぞ
れのグループの立場を逆転させ、今度はその逆の立場でマシュマロ
ファイトをやらせ、その後今度はその逆の立場で話題を議論させる
のです。相手を打ち負かすためには、向こうの理論を知らなくては
ならない。つまりディベートの基礎的な訓練をします。しかも安全
に実際に戦わせながらスリルと興奮を同時に感じながら。

 このように、実際に身体を動かしてみて、そしてそれぞれの立場
になりながらロールプレイングを通じてより具体的なイメージを描
きながらの授業は、実に楽しく、そして如何に効果的であるかを実
感しました。このように、たとえ家庭環境、および周辺環境の不利
な子どもたちが参加しても、それなりのイメージが描けるような工
夫さえあれば、どんな子も興味を持ち始められるはずなのです。勿
論、その為には教師の科目に対する愛情、工夫、努力が必要なのは
言うまでもありません。いや、この科目に対する愛情、情熱こそが
ファシリテーションの原動力であると信じています。

 もっともこれは、この超エンタメ教育論を主催する、「お笑い教
師同盟」が得意とする分野でもあると思います。実は私がこのグル
ープに入れていただいたきっかけは、あるテレビニュースの特集で、
お笑い教師同盟のメンバーが、生徒たちに朗読をさせる動機付けを
する、面白いネタを紹介していたのを偶然目撃したからです。たし
か2006年頃だったと思います。その特集で、ある先生がクラスの生
徒さんに、「今日は用事があるので、 代理の先生を呼んであるか
ら、あとは頼むぞ」と教室を出てゆきます。すると、その先生、ベ
レー帽をかぶり、いきなり映画監督の役になりきり、教室へ入り、
自己紹介をし、そして今、「企画中の映画の主演や相手役を選びた
い」とオーディションをするのです。そしてそれを動機づけとして、
子供たちに国語の教科書を朗読させるという設定でした。これを偶
然目にした私は「あれ!日本でも教育演劇があるんだ!」と咄嗟に
紙とペンを手にし、情報を走り書きし、そしてネットで検索し、す
ぐにメンバーに加えていただいた次第なのです。

 さてさて、このように、いかに子ども、若者たちの五感を刺激し
て、動機づけができるか・・・もちろんネタだけではダメですね。
 現在私は、マイム劇団の代表として、文化庁の派遣事業で小学校、
中学校を巡回し、身体表現のワークショップを毎日のようにし続け
ておりますが、実感するのは同じ台本を土台にして子どもたちを指
導しても、その指導者の技量、愛情、そして情熱、経験などにより、
盛り上がりも、盛り下がり(という言葉あるかどうかはわかりませ
んが)もするということです。寄席が良い例ですね。同じ噺をして
も、落語家さんによってまったくその効果は違う。ですからこのイ
メージを膨らまし、五感に訴えるネタを習得し、如何に自分のオリ
ジナルのモノにするかということがとても大切な事なのですね。さ
あ、日本の様々な分野の指導者のみなさん、ネタを知ったら自分の
ものにするまで、その情熱で何度も何度も試してみてください!!
2013-09-16 07:19 | つれづれなるままに | コメント(1)

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